これは人間を描くドラマであって
テクノロジーを描くSFにはしたくなかった
これまでのSFとは違うものを作りたかった。あらゆる面で『スター・トレック』的な世界とは距離を置いて、すべてにおいてリアルなものを生み出したかった。ハイテク制御の宇宙船なんて、うんざりするほど見ているだろう。そんな設定では、キャラクターがドラマの中心に来なくなってしまう傾向がある。『GALACTICA/ギャラクティカ』は人間を描くドラマであって、テクノロジーを描くSFにはしたくなかったのさ。早い段階で「異星人」を出さないことは決めていたよ。
サイロンに人間性を持たせることで
複雑な愛憎を人間に抱かせることが可能になり
「人型サイロン」という発想が生まれた
70年代に作られたオリジナル版『宇宙空母ギャラクティカ』を研究し、現代に通用しないものは何かを見極めたよ。サイロンによる攻撃、人類の逃亡、地球を探す旅、アダマとその息子アポロ、はみ出し者スターバック、その仲間ブーマー、内通者バルター…といった設定はそのままだ。だが、9.11同時多発テロの後、これらの要素は観客にとって以前とは異なる共感を呼ぶと思ったんだ。より複雑な人間関係を構築し、シリアス路線を行けば、意義深い何かを表現できると感じた。対テロ戦争はもとより、カタストロフに直面した人間には何が起こるのか。今日の社会で起きている問題に対して、メッセージを発することもできるしね。オリジナル版では、敵が執拗に人間を追う理由が意味不明だった。だからまず、サイロンと人間の関係性を背景に置いた。サイロンに人間性を持たせることで、複雑な愛憎を人間に抱かせることが可能になり、「人型サイロン」という発想が生まれたのさ。
アダマも空母も時代遅れな存在にした方が面白い
バルターの人間的な弱さが世界を破滅させる
アダマを英雄的な父親キャラにしても、つまらないと思ったんだ。引退を目前に控えていたという設定にし、彼自身も空母も、時代遅れな存在にした方が面白いと考えた。アポロには、父親と複雑な関係でいてほしいし、自分のユニフォームにも複雑な思いを抱かせたかった。一般市民を代表するリーダーとして、ロズリンという役柄を作った。彼女は、軍の指導者としてのアダマとそりが合わない。末期ガンの宣告を受けた数時間後に大統領になるというのは、素晴らしいアイデアだと思ったんだ。このプロジェクトを考え出した最初の週に、まず頭に浮かんだのが、オリジナル版で男性だったスターバックを女性に変えるというアイデアだった。直感的にね。親友のアポロとの関係も、まったく違ったものになる。バルターのキャラは、オリジナル版とは全く異なる。悪役としては賢くないが、彼の人間的な弱さが世界を破滅させるきっかけになるんだ。
人類のあらゆる経験を反映させるために、宗教的な要素も発展させた。一神教と多神教の概念には、とても魅せられるね。これは遠い未来の話かもしれないし、過去に起きたことかもしれないし、あるいは今起きていることかもしれない。そんな要素を、作品のキーとなる問いかけのひとつにしたいと考えたのさ。
■製作総指揮・企画・脚本:ロナルド・D・ムーア
1964年生まれ。政治学の学位を取ってコーネル大学を卒業後、脚本家を目指す。米海軍を経て、TVシリーズ『新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション』にスクリプトが採用されて手腕を発揮し、その後プロデューサーに。シリーズ劇場版『ジェネレーションズ』(94)、『ファースト・コンタクト』(96)の脚本も担当。トム・クルーズ主演作『M:I-2』(00)では原案、TVシリーズ『ロズウェル〜星の恋人たち』(00〜02)では製作総指揮を務めた。
■製作総指揮:デイビッド・エイック
USAケーブルで上級副社長を務め、USAネットワークとSci-Fiチャンネルで放映される全てのオリジナルTVシリーズの製作責任を担う。それ以前には、『ヘラクレス/魔境の女戦士』(94)や『アメリカン・ゴシック』(95〜96) などのTV作品も成功させている。
■監督:マイケル・ライマー
1963年、オーストラリア生まれ。1987年、USC在学中に制作したショートフィルムで評価された後、オーストリアに戻り数多くの映画に携わる。初監督作『エンジェル・ベイビー』(95)はサンダンス映画祭で上映され、オーストリア・フィルム・インスティテュート・アワード作品賞・監督賞・脚本賞など7部門受賞。97年に再渡米し、『PERFUME パフューム』(01)で注目を浴びる。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の続編、『クィーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(02)を手がけた後、03年から『GALACTICA/ギャラクティカ』に参加し、シリーズの中心的な監督・製作者となる。
■撮影:ジョエル・ランサム
カナダ生まれ。『X-ファイル』第5シーズンの撮影監督を経て、『バンド・オブ・ブラザース』(01)、『TAKEN テイクン』(02)、『トラフィック/新たなる連鎖』(04)、『9.11への道』(06)などのTVシリーズやTVムービーを担当。最新作は劇場映画『光の六つのしるし』(07)。
■音楽:リチャード・ギブス
1955年生まれ。ダニー・エルフマンがボーカルとギターを担当していた音楽集団に80年から84年まで所属し、キーボードとトロンボーンを担当。“The Tracy Ullman Show”(87)や“Muppet Tonight”(96)、『ザ・シンプソンズ』第1シーズンの音楽も手がけている。
■音楽:ベア・マクレアリー
1979年生まれ。名映画音楽家、故エルマー・バーンスタインに師事し、クラシック畑出身。『GALACTICA/ギャラクティカ』では、「序章」を担当したリチャード・ギブスとコラボレーション。TVシリーズ『ユーリカ』第2シーズンや“The Sarah Connor Chronicles”の音楽も担当している。